まだまだ特別区と行政区のハナシ(メモ)

明治11年7月22日 郡区町村編成法(太政官布告第17号)公布。
明治12年1月3日 府下15区会規則を東京府が布達。
明治13年4月8日 区町村会法を太政官から布告。

 ここまでで議決機関たる区会を擁する基礎自治体としての「区」がお目見えする。

明治21年4月17日 市制町村制公布(法律第1号)
第60条 (略)但、東京・京都・大阪ニ於テハ区長ヲ有給吏員ト為スコトヲ得。
区長及其代理者ハ(略)東京・京都・大阪ニ於テハ市参事会之ヲ選任ス。
東京・京都・大阪ニ於テハ前条ニ依リ附属員並使丁ヲ置クコトヲ得。
第72条 区長及其代理者(第60条)ハ市参事会ノ機関トナリ其指揮命令ヲ受ケテ区内ニ関スル市行政事務ヲ補助執行スルモノトス。
第113条 (略)財産及営造物ニ関スル事務ノ為メ区会ヲ設クルコトヲ得。(略)

 基礎自治体としての区はここで行政区に位置付けられる。

明治22年3月22日 市制特例公布(法律第12号)
明治22年5月1日 東京市成立
明治22年7月8日 区会条令公布(東京市条例第1号)
第2条 区会ハ其区ニ所有スル財産及営造物ニ関スル事件ヲ議決スルモノトス。

 区会の役割はあくまで財産区管理に限定される。

明治31年6月27日 市制特例廃止公布(法律第19号)
明治31年9月14日 東京市京都市大阪市ノ区ニ関スル件(勅令第210号)
第7条 従来ノ区会ハ之ヲ存シ新ニ区会ヲ設クルトキハ市制第百十三条ノ例ニ依ル
区会ハ法律命令ノ範囲内ニ於テ財産及営造物ニ関スル事務其ノ他区ニ属スル事務ヲ議決ス。
区会議員ハ市ノ名誉職トス。
明治31年9月30日 市制中追加法律公布(法律第20号)/区会条例廃止
明治31年10月1日 同法律施行
第3条(追加) 東京市京都市大阪市ニ於テハ従来ノ区ヲ存ス。其区ハ財産及営造物ニ関スル事務其他法律命令ニ依リ区ニ属スル事務ヲ処理ス。

 「従来の区」として行政区が存置される。区会条例に替わる法令規則が見当たらない。勅令210号で良いのかなぁ。はてさて。

明治44年4月6日 市制改正法律公布(法律第68号)10月1日施行。
第6条 勅令ヲ以テ指定する市(東京、京都、大阪)ノ区ハ之ヲ法人トス。其ノ財産及営造物二関スル事務其ノ他法令ニ依リ区ニ属スル事務ヲ処理ス。

 法人格を回復。東京市においては各区会も復活し特別区へと進むこととなる。京都市大阪市では財産区会、学区の区会としての区会を維持し、行政区として運用されることとなる。

 みたいな。

 以上、「都史紀要5 区制沿革」(東京都公文書館,1958)より。