高校授業料無償化の今

高校授業料無償化に所得制限が設けられて2年目。
学校事務の担当者さんに話を聞くと、中々にアレな感じだ。

所得制限が設けられたことで、無償化(就学支援金の給付)を受けるためには、申請行為が必要になった。給付を希望するか、しないか。希望するならば、世帯の所得を証明する書類を添付すること。
たかがこれだけのハナシと思うことなかれ。
聞いた話では、1学年320名の所で、「給付を希望しない」とした生徒が70名にも及ぶ所もあるのだとか。
やるせないのは「別居中の父親の所得証明を取れないから希望申請が出せない」とか、「低すぎる所得の証明を提出するのは恥ずかしいから」なんてケースもあるのだとか。
DVや別居中といった特殊な事情については、もちろん制度として救済策が用意されているらしいのだが、こうした「特殊な事情」のある家庭ほど、そもそも学校に相談したがらないのだとか。
最初は「なんでもありません」から始まって、授業料滞納が続いて、このままでは進級できない、在学できない、という段になって初めて「実は、、、」と泣き出してしまうらしい。救済策が用意されていても、相談がなければ手の打ちようがない。

なんというか、最も申請主義にしてはいけなかったものを申請主義にしてしまったような状態に見える。何のための、誰のための無償化か。何とも救われないハナシだ。